すくすくだより

第3部 被爆ピアノで世界中に笑顔を

2010/11/17

第一部と第二部は、お寺らしい雰囲気の中での音楽法要でしたが、第三部は雰囲気ががらりと変わります。

出演者と

「被爆ピアノは悲しい人間の過ちの産物だけど、最後は、世界中の人たちが笑っていられるような、そんなコンサートで終わりたい、、、」

と考えて、構成しました。それでも根底には、被爆ピアノによって「いのちの響きに遇う」思いは込められています。その思いは決してブレません。

休憩をはさんで、被爆ピアノの所有者・矢川光則さんのお話。

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被爆ピアノとの出会い、ご自身と原爆の話等。

子どもたちには、今日、この日の出来事を胸にとどめておいていてほしい、、、

戦争の悲惨さと平和の大切さ、いのちの尊さを、、、

 そして、第三部は開幕するのであった、、、

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第三部のはじまりは、被爆ピアノとテーマが共通する長谷川さんの名作、

『ぼくがラーメンたべてるとき』(教育画劇)

ぼくがラーメンたべてるとき となりでミケが あくびした、、、

、、、やまの むこうのくにで おとこのこが たおれていた」

今、この瞬間にも自分のまわり、この地球上で、いろいろな出来事が起こっているというお話。

 

長谷川さんの作品を、ご自身が朗読され、

王子が被爆ピアノで効果音、BGMを奏でる、絵本の読み聞かせ。

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 「悪いのは たおれている おとこのこ じゃないんよね。

たおれている 状況を作り出した ぼくたち 大人の 責任なのね」

長谷川さんの言葉に心打たれました。会場の人もその語りに引きこまれていました。

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長谷川さん、

あなたは、スチャラカ園長坊主よりも

お坊さまらしいです、、、

思わず、目頭おさえながら、合掌

 

 

 大人が子どもに伝えるべきものをしっかり伝え、そのいのちを守ってあげる。

平和な世の中で、世界中の子どもたちが、一緒に笑って、泣いて、歌える世界でありたい、、、

そんな願いから、名曲『世界中のこどもたちが』

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またもや長谷川ワールド

『世界中のこどもたちが』の曲に合わせて

ライブ・ペインティング。

できあがった絵はこちら

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みんなが、わらっていられる世界が続くといいな、、、

 

しんみりきた後は、長谷川さんの「ライブ紙芝居」

しかも今回は、王子、岡さん、高野の憲ちゃんによるアドリブ効果音付き

さらに被爆ピアノで、、、   く~っ、なんて贅沢な内容、、、

PHOTO058めがねかな?

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長谷川さんのライブでの

お話しに、会場の目は用意された大型紙に注目。

 

 

 

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布団に寝ている夫婦でした、、、

 

一筆いれるごとに、時間と話の中身が

流れていく、これぞ長谷川ワールド!

 

 

大阪弁でしゃべる長谷川さんのお話に会場も大爆笑!PHOTO063

楽器演奏三人による効果音も

紙芝居に彩りならぬ、音どりを添える。

岡さんのサックスによる救急車にはビックリ!

 笑いと感動を与え、ハセポン(長谷川さん)、タケポン(大友たけしさん)、オカポン(岡さん)、ケンポン(高野の憲ちゃん)のワールドにすっかり魅了された会場。

 

次なる絵本は、双子と長谷川さん、3人の朗読。

『おじいちゃんのごくらくごくらく』(すずき出版)

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 一ページ毎に双子が交代で読み聞かせ、

おじいちゃんのセリフを長谷川さんが担当。

 

「おじいちゃんは、ほとけさまのくにへ

いってしまいました。」

 

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朗読後、ふたごが「ぼくのおじいちゃん」の詩を朗読。

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他の出演者も

絵本の朗読とともに

聞き入っていました。

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 こころが、しんみりしたところで、長谷川さんの歌『幼稚園のブルース』

長谷川さんがウクレレを弾きます。

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「ようちえんいくのいやや~ 

ようちえんいくのいやや~

 ~ぼくは ただ 一日 おかあちゃんと 

いっしょに いたいだけなんや~」

予想外の歌詞に、会場またまた、大爆笑!

岡さんは、ヒートアップして本堂の外へ出て演奏!

PHOTO024岡さん!

かっこいい~

しびれる~

会場のお客さんのハートを、

しっかりつかんだ岡さんでした。

(特に中高年の女性に)

 

続いての絵本の読み聞かせは、長谷川さん自身の子どもの時のおとうちゃんとのお話。

『てんごくのおとうちとゃん』(講談社)

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「はいけい てんごくの おとうちゃん、

 げんきに してますか。」

亡き人との思い出の中

大きくなっていく長谷川少年、、、

 

「おとうちゃん、、、

しんぱいしないで くださいね、

おとうちゃん。」

 

 長谷川さんの「かわいそうなんは、ぼくやない 死んでしもうたおとうちゃんなんや

ぼくは 生きているだけで ラッキーなんや」

この考え、大切です。生きているだけで幸せ。そんな気持ち、受け継がれたいのち、大切にしたいですね。

長谷川さん!やっぱり、あなたは素晴らしい! 再び 合掌

 

 心にジ~ンときたら、次の絵本は、『じゃがいもポテトくん』(小学館)

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北の国から やってきた じゃがいも一家が バラバラになってしまう

かなしい おはなしです、、、

しかし、最後には、また 同じ所であえる結末。

園長、勝手にお経の中に出てくる「倶会一処(くえいっしょ)」《みんな同じ所で会える、という意味》に通じると、こじつけ

コンサート最後の絵本に選びました。

じゃがいも一家が別れ別れになるときの、王子のピアノ効果音が最高!「ジャジャジャジャーン…」てね。

 ハッピーエンドのオチがついた後は、『じゃがいもポテトくん』のうた

「すきやきには いれないで~」のオチの歌詞に、みたび大爆笑!いやはや、笑いがとまりませんな~

ねらい通り!

 

 笑い声の余韻が会場に残る中、なぜか お誕生日会。

「生まれてきたこと」、「いのちが受け継がれたこと」を喜びとしてほしい、

「生きる喜び」と「生まれた意義」を見つけてほしい、、、

それが伝われば、決して、「いのち」を軽んじたりしないはず、、、

お寺は、決して「死」のイメージではなく、「生」のイメージである、、、

保育園の園長をする坊主のテーマです。墓場からではありません、ワタシは「ゆりかごから墓場まで…」の人の一生を考えたい!

そんな思いが、にじみ出る今回のコンサート。

会場、出演者みんなで誕生をお祝いしました。

PHOTO070「きょうは おたんじょうび~

ハッピーハッピー

バースデー

いちねんじゅうで

いちばん うれしい日、、、」

 

多くの人を代表して、この日と前日、お誕生日だった男の子と女の子、二人をお祝い。

「オメデトウー」ってね。

 

 

 

 そしてアットいう間の2時間。被爆ピアノコンサートもいよいよエンディングです。

ラストは、これからも過ちを繰り返し、被爆ピアノが生まれる可能性を含む この世界

わたしたちの国は被爆国といいながらも、国際情勢の中、「核の傘」の中に入っております。

そんな大人都合の「傘」から出て、恵みの雨が降り続く中、みんなの心が晴れて、

世界に平和の虹が、かかれば いいな という願いで、

被爆ピアノによる 『にじ』 です。

しかも、最後は会場にいた こども達が 本堂の階段に上がってきて

みんなで 手話をしながら 合唱!

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王子が弾く被爆ピアノ、

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岡さんのサックス、

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憲ちゃんのドラム、

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ジャズ調の『にじ』 これだけでも感動なのに

 

 

 

 

子ども達の声が会場に響き渡ります

「ラ・ラ・ラ、、、」素晴らしい!

それに加えて、長谷川さんが外ステージで、またもや絵を、、、

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しかも『にじ』の曲にあわせて

『にじ』の絵を。

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こんな素晴らしい絵が

描き上がりました。

長谷川さん、ほんまスゴイ!

 みたび合掌

感動と涙、笑いの渦に巻き込まれた「いのちの響きに遇う被爆ピアノコンサート」

その余韻続く中、最後は、やはりお寺らしく、、、『恩徳讃』

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ピアノは朋子先生。

歌は 会場のみなさん

 

出演者も最後は

合掌

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被爆ピアノの音色が会場に響き渡ります。

この声 この思い この願い 届いたかな?

いえ、届いたはずです!

 

夢のような一夜でした、、、

まるで アラビアンナイト(千夜一夜物語)のような、、、

いや、お寺だからテラビアンナイトかな、、、