第一部と第二部は、お寺らしい雰囲気の中での音楽法要でしたが、第三部は雰囲気ががらりと変わります。
出演者と
「被爆ピアノは悲しい人間の過ちの産物だけど、最後は、世界中の人たちが笑っていられるような、そんなコンサートで終わりたい、、、」
と考えて、構成しました。それでも根底には、被爆ピアノによって「いのちの響きに遇う」思いは込められています。その思いは決してブレません。
休憩をはさんで、被爆ピアノの所有者・矢川光則さんのお話。
被爆ピアノとの出会い、ご自身と原爆の話等。
子どもたちには、今日、この日の出来事を胸にとどめておいていてほしい、、、
戦争の悲惨さと平和の大切さ、いのちの尊さを、、、
そして、第三部は開幕するのであった、、、
第三部のはじまりは、被爆ピアノとテーマが共通する長谷川さんの名作、
『ぼくがラーメンたべてるとき』(教育画劇)
ぼくがラーメンたべてるとき となりでミケが あくびした、、、
、、、やまの むこうのくにで おとこのこが たおれていた」
今、この瞬間にも自分のまわり、この地球上で、いろいろな出来事が起こっているというお話。
長谷川さんの作品を、ご自身が朗読され、
王子が被爆ピアノで効果音、BGMを奏でる、絵本の読み聞かせ。
「悪いのは たおれている おとこのこ じゃないんよね。
たおれている 状況を作り出した ぼくたち 大人の 責任なのね」
長谷川さんの言葉に心打たれました。会場の人もその語りに引きこまれていました。
長谷川さん、
あなたは、スチャラカ園長坊主よりも
お坊さまらしいです、、、
思わず、目頭おさえながら、合掌
大人が子どもに伝えるべきものをしっかり伝え、そのいのちを守ってあげる。
平和な世の中で、世界中の子どもたちが、一緒に笑って、泣いて、歌える世界でありたい、、、
そんな願いから、名曲『世界中のこどもたちが』
またもや長谷川ワールド
『世界中のこどもたちが』の曲に合わせて
ライブ・ペインティング。
できあがった絵はこちら
みんなが、わらっていられる世界が続くといいな、、、
しんみりきた後は、長谷川さんの「ライブ紙芝居」
しかも今回は、王子、岡さん、高野の憲ちゃんによるアドリブ効果音付き
さらに被爆ピアノで、、、 く~っ、なんて贅沢な内容、、、
めがねかな?
長谷川さんのライブでの
お話しに、会場の目は用意された大型紙に注目。
布団に寝ている夫婦でした、、、
一筆いれるごとに、時間と話の中身が
流れていく、これぞ長谷川ワールド!
大阪弁でしゃべる長谷川さんのお話に会場も大爆笑!
楽器演奏三人による効果音も
紙芝居に彩りならぬ、音どりを添える。
岡さんのサックスによる救急車にはビックリ!
笑いと感動を与え、ハセポン(長谷川さん)、タケポン(大友たけしさん)、オカポン(岡さん)、ケンポン(高野の憲ちゃん)のワールドにすっかり魅了された会場。
次なる絵本は、双子と長谷川さん、3人の朗読。
『おじいちゃんのごくらくごくらく』(すずき出版)
一ページ毎に双子が交代で読み聞かせ、
おじいちゃんのセリフを長谷川さんが担当。
「おじいちゃんは、ほとけさまのくにへ
いってしまいました。」
朗読後、ふたごが「ぼくのおじいちゃん」の詩を朗読。
他の出演者も
絵本の朗読とともに
聞き入っていました。
こころが、しんみりしたところで、長谷川さんの歌『幼稚園のブルース』
長谷川さんがウクレレを弾きます。
「ようちえんいくのいやや~
ようちえんいくのいやや~
~ぼくは ただ 一日 おかあちゃんと
いっしょに いたいだけなんや~」
予想外の歌詞に、会場またまた、大爆笑!
岡さんは、ヒートアップして本堂の外へ出て演奏!
岡さん!
かっこいい~
しびれる~
会場のお客さんのハートを、
しっかりつかんだ岡さんでした。
(特に中高年の女性に)
続いての絵本の読み聞かせは、長谷川さん自身の子どもの時のおとうちゃんとのお話。
『てんごくのおとうちとゃん』(講談社)
「はいけい てんごくの おとうちゃん、
げんきに してますか。」
亡き人との思い出の中
大きくなっていく長谷川少年、、、
「おとうちゃん、、、
しんぱいしないで くださいね、
おとうちゃん。」
長谷川さんの「かわいそうなんは、ぼくやない 死んでしもうたおとうちゃんなんや
ぼくは 生きているだけで ラッキーなんや」
この考え、大切です。生きているだけで幸せ。そんな気持ち、受け継がれたいのち、大切にしたいですね。
長谷川さん!やっぱり、あなたは素晴らしい! 再び 合掌
心にジ~ンときたら、次の絵本は、『じゃがいもポテトくん』(小学館)
北の国から やってきた じゃがいも一家が バラバラになってしまう
かなしい おはなしです、、、
しかし、最後には、また 同じ所であえる結末。
園長、勝手にお経の中に出てくる「倶会一処(くえいっしょ)」《みんな同じ所で会える、という意味》に通じると、こじつけ
コンサート最後の絵本に選びました。
じゃがいも一家が別れ別れになるときの、王子のピアノ効果音が最高!「ジャジャジャジャーン…」てね。
ハッピーエンドのオチがついた後は、『じゃがいもポテトくん』のうた
「すきやきには いれないで~」のオチの歌詞に、みたび大爆笑!いやはや、笑いがとまりませんな~
ねらい通り!
笑い声の余韻が会場に残る中、なぜか お誕生日会。
「生まれてきたこと」、「いのちが受け継がれたこと」を喜びとしてほしい、
「生きる喜び」と「生まれた意義」を見つけてほしい、、、
それが伝われば、決して、「いのち」を軽んじたりしないはず、、、
お寺は、決して「死」のイメージではなく、「生」のイメージである、、、
保育園の園長をする坊主のテーマです。墓場からではありません、ワタシは「ゆりかごから墓場まで…」の人の一生を考えたい!
そんな思いが、にじみ出る今回のコンサート。
会場、出演者みんなで誕生をお祝いしました。
「きょうは おたんじょうび~
ハッピーハッピー
バースデー
いちねんじゅうで
いちばん うれしい日、、、」
多くの人を代表して、この日と前日、お誕生日だった男の子と女の子、二人をお祝い。
「オメデトウー」ってね。
そしてアットいう間の2時間。被爆ピアノコンサートもいよいよエンディングです。
ラストは、これからも過ちを繰り返し、被爆ピアノが生まれる可能性を含む この世界
わたしたちの国は被爆国といいながらも、国際情勢の中、「核の傘」の中に入っております。
そんな大人都合の「傘」から出て、恵みの雨が降り続く中、みんなの心が晴れて、
世界に平和の虹が、かかれば いいな という願いで、
被爆ピアノによる 『にじ』 です。
しかも、最後は会場にいた こども達が 本堂の階段に上がってきて
みんなで 手話をしながら 合唱!
王子が弾く被爆ピアノ、
岡さんのサックス、
憲ちゃんのドラム、
ジャズ調の『にじ』 これだけでも感動なのに
子ども達の声が会場に響き渡ります
「ラ・ラ・ラ、、、」素晴らしい!
それに加えて、長谷川さんが外ステージで、またもや絵を、、、
しかも『にじ』の曲にあわせて
『にじ』の絵を。
こんな素晴らしい絵が
描き上がりました。
長谷川さん、ほんまスゴイ!
みたび合掌
感動と涙、笑いの渦に巻き込まれた「いのちの響きに遇う被爆ピアノコンサート」
その余韻続く中、最後は、やはりお寺らしく、、、『恩徳讃』
ピアノは朋子先生。
歌は 会場のみなさん
出演者も最後は
合掌
被爆ピアノの音色が会場に響き渡ります。
この声 この思い この願い 届いたかな?
いえ、届いたはずです!
夢のような一夜でした、、、
まるで アラビアンナイト(千夜一夜物語)のような、、、
いや、お寺だからテラビアンナイトかな、、、