引き続き、第2部は、坊主である園長と長谷川先生、新米坊主の天真のコラボによる『ライブ御絵伝』
「御絵伝」とは、親鸞聖人というお坊さんの生涯を、絵物語の掛け軸と拝読用の巻物にまとめられたもの。
通常は、報恩講の初夜、
京都の東本願寺では11月25日の17時から
本堂の暗がりの中で、ロウソクの灯りだけで読み上げられます。
伝統的な拝読によって、その生涯を訪ねるもので
『御伝鈔拝読』ともいわれます。
今回は、その伝統的な作法を、被爆ピアノによるジャズの調べで、勤めあげようというもの。
しかも、本来は、本堂内の親鸞聖人の絵像の前での拝読ですが、
この度は、境内のテント内の席につかれておられる方ともコンサートを一体化させるため、
あえて本堂の外、境内にある親鸞聖人の銅像の前に特設舞台を設けて、
そこで拝読しちゃおうという企画。
しかも、各段拝読後、曲と詞にあわせて、
絵本作家の長谷川先生が、
ライブでそのお話を描き上げるという趣向。
まさに『ライブ御絵伝』です。
時刻は、夕方5時半、境内周辺も暗がりの中で、
照明に照らされて、より一層、味のある雰囲気がでてきました。
そして、被爆ピアノとサックスで流れた曲は、
『にじ』(ジャズバージョン)
曲に合わせて、静かにゆっくりと
ロウソク持ちと拝読のお坊さん、
詩の朗読の新米坊主・天真、
絵を描く長谷川さんが
本堂から外の舞台・ステージへ練り出していきます。
親鸞聖人の銅像の前に座す園長。
大勢の方の注目を浴び、緊張しております。
ロウソクの灯りの中で、親鸞聖人「出家学道」
(生い立ちと、9歳で出家して仏門に入るお話)と
「洛陽遷化」(90歳でお亡くなりになるお話)の二段を
独特の読法で読みます。(左 園長)
各段読み切ると曲が流れ、天真(手前)が
その部分をわかりやすく詩にして朗読します。
曲は、「出家学道」の段は、『キミノエガオ』
「洛陽遷化」の段は『泣かないで』
曲と詩にあわせて、長谷川さん(右)が御絵伝を描きます。
できあがった絵はこちら
「出家学道」のときの絵
「洛陽遷化」の絵
ここでも長谷川ワールドが
展開されました。
園長もどんな絵が生まれるのか
興味を持ちながら拝読していました。
そして、二幅のライブ御絵伝(長谷川義史画)が完成すると、
最後は、『ともだちになるために』(ジャズバージョン)が、、、
曲に合わせて、各出演者、坊主は、また静かに本堂内に消えていくのでした。
うしろ頭は、長谷川さん
カーン、カンカン
楽止喚鐘(がくどめかんしょう)の音色とともに、今度は、聖なる歌声が
被爆ピアノによる「いのち」の響きに遇うコンサート
そこには、宗派・宗教の区別もなければ
人種、国籍、地域、年齢、性別の垣根もありません。
王子の被爆ピアノと岡さんのフルートにあわせて
神原久美子さんが歌うのは
『Pie Jesu』 キリスト教の賛美歌。
平和をともに願うわたしたちにとって、区別を生み出す垣根は必要ないのです。
そんな強い思いから、あえてお寺の本堂でキリストの賛美歌をいれてみました。
しかも、王子の被爆ピアノと岡さんのフルートで、、、
感動の響きに遇いました。
響きの夜は更けにけり