すくすくだより

そして開演~いのちの響きに遇う被爆ピアノコンサート

2010/11/17

ついに、開演されました。「いのちの響きに遇う音楽コンサート」、、、

一般向けポスター

出演者、会場、被爆ピアノ、テーマ、関係者、園長として、坊主として、伝えたいこと、etc.、、、

いろいろなパーツを組み合わせて、考えに考え抜いて、「いのち」を見つめ直すことをメッセージにしようと構成したコンサート。

全体で三部構成になっております。第一部はお寺としての「音楽法要」。

つまり会場の宝田院を主体とした構成、、、

DSC06031伝統的なお勤めとジャズのコラボ。

この辺から、破戒僧のアイデアがあふれ出ます、、、

当然、坊主が登場します。

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普段の宝田院(園長先生のお寺の名前)とは、

違う雰囲気。

お寺の飾りながら、客席とか照明とか、赤じゅうたん、外ステージなど、

中継用の大型モニターまでぶら下がっちゃって

完全なコンサート仕様になっております、、、

 

第一部は、親鸞聖人の報恩講(ほうおんこう)、毎年11月に勤められますが、まっ法事みたいなもんか、、、

「いのち」に遇う、きっかけをつくってくれた大切な人の恩に感謝するお勤め。

被爆ピアノを使ってより一層、「いのち」の大切さを考えよう、というメッセージ。

 最初に、朋子先生(お寺では坊守“ぼうもり”さんと呼ばれてます)が「わたしはピアノ」という詩を朗読。

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『わたしはピアノ』

           詩 てるてるぼうず

 

わたしは ピアノ
わたしは やさしい 声を出します
わたしは やさしく 歌います
わたしを やさしく ひいてくれる こどもがいました
わたしは しあわせでした
わたしの ねいろに わらってくれました
わたしも わらいました

 

わたしは しあわせでした
そのこも しあわせでした

 

しかし その幸せは 続きませんでした
ある日 わたしの頭に 「ばくだん」が おとされたのです
原子爆弾です
とてつもない風と熱が わたしたちを のみこみました

こどもや おとな たくさんのひとが ふきとばされました
そして わたしも

 

 

わたしは 声を 失いました
しかし たくさんのひとは いのちを 失いました

 

 

わたしは なきました
でも 声はでません

 

こころと漆黒の体に傷だけがのこりました
わたしは 光を うしないました
漆黒の心が 続きました

 

沈黙の時間(とき)だけが 続きました

 

ある日 
わたしに 気付いてくれた人がいます
わたしに 声を取り戻してくれた人がいます

 

かんたんではありませんでしたが
わたしは 声がもどりました
しかし たくさんの いのちは もどりませんでした

 

わたしは「ひばくピアノ」とよばれるようになりました

 

わたしは 叫びます 戦争の愚かさを
わたしは 歌います 平和のありがたさを

 

わたしの こえを きいてください

 

世界中に ひろがれ
わたしのこえよ
世界中に ひろがれ
いのちの尊さを 平和の大切さを
どうか わたしの声を 聞いてください

 

わたしは ピアノ
わたしは 「ひばくピアノ」

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被爆ピアノの音色にあわせて『真宗宗歌』の歌声が会場に静かに響きます。

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ピアノ 小林宏枝先生

うた 会場のみなさん

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歌声にあわせて坊主登場。

園長、いつになく真剣な表情です。

 

 

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続いて『三帰依文』をインドのふるい言葉

パーリ文で、しかも子ども達のコーラス付き。

ピアノ 大友剛

サックス 岡淳

ドラム(シンバル)高野憲治

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子ども達の澄んだ歌声が会場を包みます。素晴らしい!

この子達、後ろで歌われている声楽家の神原久美子先生のレッスン生、

「華音(かのん)の会」のメンバーです。

本当に美しい歌声でした。

 出演者も厳粛なる雰囲気の中での素晴らしい演奏でした。

ホームページで画像しかお伝えできないのが残念です。

 

 園長も子ども達に負けじと頑張ります。

法要への願いを述べる「表白」では、王子の被爆ピアノと岡さんのサックスの奏でる名曲『はじめの一歩』に合わせて【勧進帳】

【勧進帳】とは、何もない白紙の巻物を暗記のみで読み上げるというお話。

 

今回は、被爆ピアノの奏でる『はじめの一歩』に、親鸞聖人のお話しを交えて、その場で即興で、ありのままの気持ちを仏様に向かって話すというガチンコ勝負!

ポイントは『はじめの一歩』の曲調・長さに合わせるという真剣勝負でした。

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読み手の坊主と

弾き手の王子、岡さん

互いに真剣です。

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 (写真後ろはドラムの憲ちゃん)

 

 

そして、この場面にドラマが、、、

リハーサルでは、適当な言葉を織り交ぜていましたが、

本番では、場の雰囲気に感極まって、「ことば」が洪水のようにあふれ出す。

まさに台本のない世界。

止めどなく流れる心の「表白」に、曲の終わりがつかめなくなってしまいました。

園長、演奏の終わりを探りながら言葉を続けます。

ところが、王子、岡さんも言葉の途中で曲を終わらせるわけにはいかないと、

以心伝心で、園長の言葉の終わりを探ります。

 

お互いにさぐり合いで『はじめの一歩』の演奏は続くよ続く、、、どこまでも、、、

途中で、ようやく園長が、王子・岡さんが自分に合わせてくれることに気付き、結びの「ことば」へ。

気が付けば、6分近い『はじめの一歩』と「表白」になっていました。これぞガチンコ勝負の成果!

でも、そんな園長坊主にあわせてくれる王子と岡さんて、さすが!

 

「表白」後は、華音の会の子ども達による『恩徳讃Ⅰ』まるで天使の歌声です。

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あっ、お寺だから天人・天女かな、、、

 

そして、今度は宝田院の仏教賛歌の会「さつきの会」の

コーラス。

『報恩講のうた』とお勤めをはさんで

『生きる』

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こちらも素晴らしい歌声でした。

 

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第一部の最後を飾ってくれたのは

地元、常石小学校の有志による

コーラス隊。

二部合唱で

『きんいろの太陽がもえる朝に』

地元小学生と王子、岡さん、そして被爆ピアノとのコラボがここに実現!

こちらも素晴らしい歌声でした。みんなありがとう!

こうして、第一部音楽法要は厳粛な雰囲気の中、荘厳に終わるのでした。

第二部に続く、、、