2024年 6月

課業Select セレクト で【みんしゅしゅぎ】について考える

2024/06/07

すくすくハウス今年度テーマの「セレクト」

その導入として課業セレクトがありました。

「セレクト(選ぶ)」とは?

年長うめ組さんが課業で、世の中の仕組みについて考えていきます。

「みんなが安心して生きていくために、世の中にはみんなが守る約束(ルール)があります」

「約束をやぶると、命の危険や生活が無事に送れなくなることがあります」

「約束をやぶると警察に捕まり、反省するために牢屋に入れられたり、罰金をとられることも・・・」

「その約束を考えたり、作ったりする人が必要になります」

「みんなで約束を作っていたら、なかなかまとまらないので、代表者をセレクト(選ぶ)して、約束を考えてもらいます」

かこさとしさんの『こどものとうひょう おとなのせんきょ』(復刊ドットコム)

を使って、【選挙】のしくみや【民主主義】についてお話ししました。

結構、難しいお話ですが、うめ組さん、よく聴いていました。

では【選挙】と【民主主義】について簡単なセレクトあそびをしてみましょう。

人や約束(法律)、あそびや、やりたいことなどを試しにみんなでセレクト(選ぶ)してみます。

みんなの大好きなランチメニューを四つあげて

人気投票でひとつメニューをセレクトします。

子どもたちが「ハンバーグ」「カレー」「ラーメン」「うどん」をセレクトメニューとしてあげました。

セレクトのための候補メニューです。

それぞれのメニューで一番好きなものをセレクトしてグループを作ります。

  ハンバーグ5人

  カレー2人

  ラーメン8人

  うどん3人となりました。

では、それぞれのグループで推しのメニューについてもう一度考え、みんなにそのメニューの魅力を発表してもらいます。

ラーメン党は、尾道ラーメンなどの意見が出て、党内の話し合いの結果、最終的に『しょうゆラーメン』を掲げます。

ハンバーグの会は、『チーズハンバーグ』を推してきました。

少数政党のカレーなる一族は、『激辛カレー』に『おいしいプリン』を付ける事を公約にあげました。

うどん党は、なんと『ねぎうどん』というシンプルな政策に打って出ました。

それぞれの候補メニューが決まったところで、もう一度メニューセレクトしてみます。

その結果、ラーメン党、うどん党は議席数変わらず

ハンバーグの会が議席を減らし、カレーなる一族が5議席と躍進してきました。

面白いですね~

みんなの声を聴いてみると、プリンというオマケに惹かれたと言うよりは、激辛に魅力を感じて選んだようです。

大人達の姑息なばら撒き作戦には引っかからない子どもたちの純真さに感心させられました。

 

最終的に、ひとつのメニューに決めるため、上位2つ『しょうゆラーメン』と『激辛カレープリン付き』による決選投票に入ります。

今度はふたつのメニューからセレクトします。

 

すると、、、

ハンバーグの会とうどん党がラーメン党に流れるだけでなく、カレーなる一族からも造反者が出て『しょうゆラーメン』に一気に票が集まります。

最終結果は、決選投票・多数決で『しょうゆラーメン』か・・・これが【民主主義】か・・・

 

と思いきや、、、

旧ハンバーグの会所属の一人の子が、

突然涙を流し始めました!

「チーズハンバーグたべたい・・・」

この発言と行動を受けて、有権者が顔を見合わせます。

この展開は先生も想定外!!

 

その結果、

大量のラーメン党メンバーが旧ハンバーグの会に流れ込み

ハンバーグ党が第一党に躍進するという事態に!

 

最終的に『チーズハンバーグ』が選ばれるという結果になりました。

たった一人の意見が結果を大きく変える感動の政治物語でした。

誰も予想できなかった展開が課業セレクトの時間に起こりました。

ひとりの意見も大事に受け止め、みんなで考え・行動する、、、そしてその結果をみんなで受け入れる。

これが【民主主義】の真の姿かもしれません

どこかの政治家達、あるいは私達大人に見てもらいたい一コマでした。

 

【民主主義】とは、

国民こくみん主権者しゅけんしゃとなって政治せいじおこな形態けいたい

民主主義みんしゅしゅぎもとづいておこなわれる政治せいじ民主政治みんしゅせいじといい基本的人権きほんてきじんけん尊重そんちょう基本原則きほんげんそくとし,一般いっぱん選挙せんきょえらばれた代表者だいひょうしゃによって政治せいじおこなわれる(間接民主制かんせつみんしゅせい)。

民主政治みんしゅせいじのもとでは,少数意見しょうすういけん配慮はいりょしつつはないがおこなわれ,意見いけんがまとまらないときは多数決たすうけつによって物事ものごと決定けっていするのが一般的いっぱんてき

 

こども発信による「セレクト」の今後の展開が楽しみです。